ダニエル書 11:3-28

ダニエル書 11:3-28 新共同訳

そこに、勇壮な王が起こり、大いに支配し、ほしいままに行動する。 その支配が確立するやいなや、この王国は砕かれて、天の四方向に分割される。彼の子孫はこれを継がず、だれも彼のような支配力を持つ者はない。この王国は根こそぎにされ、子孫以外の支配者たちに帰する。 このうち、南の王となった者は強くなるが、将軍の一人が王をしのぐ権力を取り、大いに支配する。 何年か後、二国は和睦し、南の王の娘は北の王に嫁ぎ、両国の友好を図る。だが、彼女は十分な支持を得ず、その子孫も力を持たない。やがて、彼女も、供の者も、彼女の子らも、その支持者らも裏切られる。 だが、彼女の実家から一つの芽が出て支配の座に着き、北の王の城塞に攻め入ってこれを破り、勝利を得る。 彼は戦利品として、鋳物の神像や金銀の財宝をエジプトに運び去る。その後何年か、北の王に対して手を出さない。 北の王は南の王国に向かって行くが、自分の国に引き揚げる。 その子らは奮い立って進軍し、洪水のような一進一退の後、敵の城塞に攻め寄せる。 南の王は激怒して出陣し、北の王と戦う。北の王は大軍を集めて立ち向かうが、彼らは敵の手に陥る。 この大軍を捕らえて南の王は大いに高ぶり、幾万人もの兵を殺すが、決定的に勝つことはできない。 北の王は再び前回にまさる大軍を集め、数年の後に強力な軍隊の軍備を整えて進軍する。 その時には、多くの者が南の王に対して立ち上がる。お前の民の中からも、暴力に頼る者らが幻を成就させようとして立ち上がるが、失敗する。 北の王は進軍し、堡塁を築き、砦に守られた町を占領する。南の王はこれに抵抗する力を持たず、えり抜きの軍勢も立ち向かうことができない。 敵は意のままに行動し、対抗する者はない。あの『麗しの地』に彼は支配を確立し、一切をその手に収める。 彼は南の王国全体を支配しようと望み、和睦を図り、娘を与え、それによってこの国を滅ぼそうとするが、娘の力は続かず、役に立たない。 次に、彼は島々に目を向け、その多くを占領するが、ある軍人が彼の悪行にとどめを刺し、その悪行に報いる。 北の王は自国の城塞に帰るが、そこで失墜し、倒れて消えうせる。 彼に代わって立つ者は、王国の栄光のためにと、税を取る者を巡回させる。しかし、幾日もたたないうちに、怒りにも戦いにも遭わずに滅び去る。 代わって立つ者は卑しむべき者で、王としての名誉は与えられず、平穏な時期に現れ、甘言を用いて王権を取る。 洪水のような勢力も彼によって押し流され、打ち破られ、契約の君も破られる。 この王は、僅かの腹心と共に悪計を用いて多くの者と同盟を結び、勢力を増し、強大になって行く。 平穏な時期に彼は最も豊かな地方を侵略し、先祖のだれもしたことのないようなことを行い、戦利品や財宝を分配する。また、諸方の砦に対して計略を練るが、それは一時期のことである。 やがて彼は力と勇気を奮い起こし、南の王に対して大軍を整える。南の王も非常に強大な軍勢をもってこれと戦うが、計略にかかり、勝つことができない。 すなわち、南の王の禄を食む者ら自身が彼を打ち破る。その軍勢は押し流され、多くの者が傷つき倒れる。 これら二人の王は、互いに悪意を抱きながら一つの食卓を囲み、虚言を語り合う。しかし、何事も成功しない。まだ終わりの時ではないからである。 北の王は莫大な富を獲得して自国に引き揚げる。聖なる契約に逆らう思いを抱いて、ほしいままにふるまい、自国に帰る。

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