ヨブ記 4:1-17

ヨブ記 4:1-17 新共同訳

テマン人エリファズは話し始めた。 あえてひとこと言ってみよう。 あなたを疲れさせるだろうが 誰がものを言わずにいられようか。 あなたは多くの人を諭し 力を失った手を強めてきた。 あなたの言葉は倒れる人を起こし くずおれる膝に力を与えたものだった。 だが、そのあなたの上に何事かふりかかると あなたは弱ってしまう。 それがあなたの身に及ぶと、おびえる。 神を畏れる生き方が あなたの頼みではなかったのか。 完全な道を歩むことが あなたの希望ではなかったのか。 考えてみなさい。 罪のない人が滅ぼされ 正しい人が絶たれたことがあるかどうか。 わたしの見てきたところでは 災いを耕し、労苦を蒔く者が 災いと労苦を収穫することになっている。 彼らは神の息によって滅び 怒りの息吹によって消えうせる。 獅子がほえ、うなっても その子らの牙は折られてしまう。 雄が獲物がなくて滅びれば 雌の子らはちりぢりにされる。 忍び寄る言葉があり わたしの耳はそれをかすかに聞いた。 夜の幻が人を惑わし 深い眠りが人を包むころ 恐れとおののきが臨み わたしの骨はことごとく震えた。 風が顔をかすめてゆき 身の毛がよだった。 何ものか、立ち止まったが その姿を見分けることはできなかった。 ただ、目の前にひとつの形があり 沈黙があり、声が聞こえた。 「人が神より正しくありえようか。 造り主より清くありえようか。