ダニエル書 5:2-19

ダニエル書 5:2-19 JCB

王はぶどう酒を飲みながら、ずっと以前、ネブカデネザル王の治世にエルサレムの神殿からバビロンに持って来た、金と銀の杯のことを思い出しました。そこで、この聖なる杯を宴席に持って来るよう命じました。杯が運ばれて来ると、王と王子たち、妻とそばめたちは、金や銀、青銅や鉄、木や石で作られた偶像のために、その杯で乾杯したのです。 すると突然、居並ぶ者たちの目の前に人の手の指が現れ、燭台の向こうの塗り壁に何かを書いたのです。王も確かにその指を見ました。 恐ろしさのあまり、王の顔は蒼白となりひざはがくがくと震えだし、その場に座り込んでしまいました。 王は叫びました。「呪文師、占星学者を呼べ。カルデヤ人を呼べ。だれでも、壁に書かれた文字を読み、その意味を解き明かすなら、王室の栄誉を帯びた紫の衣を着せ、首に金の鎖をかけ、この国の第三の支配者としよう!」 しかし、呼び集められた者のうち、一人としてその文字を読み、意味を解き明かせる者はいません。 王はますます興奮し、恐怖におびえています。居並ぶ高官たちも、うろたえるばかりです。 このことを聞いた王母は、すぐ宴会場に駆けつけ、王に言いました。「王よ、落ち着いてください。そんな顔をしたり、おびえたりするのはおやめください。 あなたの王国には、聖なる神の霊が宿っている人がいるではありませんか。あなたの父上、ネブカデネザル王の時代に、その人は、まるで神のように知恵と理解力に満ちていました。それで父上の治世に、バビロン全土の呪文師、占星学者、カルデヤ人、占い師の長とされたのです。 その人はダニエルという者です。父上はベルテシャツァルと呼んでおられました。その人を召してください。その頭脳は神の知恵と理解力に満ちています。それで、夢を解き明かし、なぞを解き、どんな難問も解決できるのです。あの壁に書かれた文字の意味も教えてくれましょう。」 ダニエルは、すぐさま王のもとに召されました。王はダニエルに尋ねました。「ネブカデネザル王がイスラエルから捕虜として連れて来たダニエルというのは、おまえか。 おまえのうちには神の霊が宿り、知恵と理解力にすぐれていると聞いている。 私の知者や占星学者たちは、あの壁に書かれた文字を読み、その意味を解き明かそうとしたが、できなかった。 おまえは、どんななぞも解くことができるそうだな。この文字を解き明かしてくれるなら、紫の衣を着せ、首に金の鎖をかけ、おまえをこの国で第三の支配者としよう。」 「ありがたい仰せですが、その褒美は、ご自分のために取っておかれるか、ほかの者に与えてください。とにかく、壁の文字の意味はお教えします。 王よ。いと高き神は、先王ネブカデネザルに、偉大な王国と、それにふさわしい威厳と光栄とを与えました。 その威厳はたいへんなもので、世界の国々はみな、王の前に震えおののいたものです。先王は気に入らない者は殺し、気に入る者は生かすというふうに、気の向くままに人を用いたり、捨てたりなさいました。

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