ダニエル書 6:1-17

ダニエル書 6:1-17 JCB

ダリヨス王は国を百二十の州に分け、それぞれに知事を置きました。 州知事の上に三人の大臣を置き、ダニエルはその一人でした。この三人への報告を義務づけることで、王は効果的に王国を治めることができました。 ダニエルにはすぐれた能力があり、他の大臣や州知事よりも有能であることが、だれの目にも明らかになりました。そこで王は、彼を行政長官にして全国を治めさせようと考えました。 そのため、他の大臣や州知事は激しく嫉妬し、ダニエルの行政に落度はないかと探り、王に訴える口実を見つけようとしました。しかし、何一つ批判できる点を見つけることができません。ダニエルは誠実で、正直にふるまい、間違いを犯すことがありませんでした。 そこで、「残された道はただ一つ、ダニエルの宗教に関することだ」ということになったのです。 彼らは王のもとへ行き、次のように進言しました。「ダリヨス王よ。いつまでもご健勝であられますように。 私ども大臣、州知事、参議官ならびに総督は、どんな事情があっても取り消すことのできない法令を制定していただくよう、全会一致で決議いたしました。その法令とは、向こう三十日間、王以外のどんな神にも人にも祈りをささげる者があれば、ライオンの餌食にされる、というものでございます。 この法令に署名をお願いいたします。そうすれば、これは無効にすることも変更することもできない『メディヤとペルシヤの法律』となるのでございます。」 そこで王は、この法律に署名しました。 ところが、ダニエルはそのことを知りましたが、家に帰るといつものように、二階の寝室でひざまずきました。エルサレムの方角の窓を開けて、彼は一日に三度、神に祈り、感謝をささげていたのです。 陰謀を企てた者たちがダニエルの家に押しかけてみると、神に哀願し、祈っているダニエルの姿を見つけました。 彼らは王のもとに急ぎ、あの法律について念を押しました。「王は、向こう三十日間、王以外のどんな神にも人にも祈りをささげてはならないという法律に署名なさいました。その法律に背く者は、ライオンの餌食にされるのでしたね。」「そのとおりだ。変更も取り消しもできない『メディヤとペルシヤの法律』だ。」 そこで彼らは王に訴えました。「あのユダヤ人捕虜の一人、ダニエルは、王も王の法律も無視して、日に三度、彼の神に祈りをささげているのです。」 これを聞いて、王は法律に署名したことを悔やみ、何とかしてダニエルを助けようとしました。そして日が暮れるまで、ダニエルを救い出す手だてはないものかと思い巡らしていました。 夕方になると、陰謀を企てた者たちがまた来て、こう言います。「王様。もう、どうしようもありません。王が署名された法律ですから、変更の余地はございません。」 とうとう王は、ダニエルを逮捕するよう命じました。ダニエルは捕らえられ、ライオンの穴に投げ込まれたのです。王はダニエルに呼びかけました。「おまえがいつも礼拝している神が、どうか、おまえを救ってくださるように。」 それから一つの石が運んで来られ、穴の口に置かれました。だれもダニエルをライオンの穴から救い出せないようにと、王と政府の公印をもって封じたのです。

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