その後、王宮の料理長とぶどう酒の毒味役とが、王のきげんをそこねて、監獄に入れられました。それはポティファルの邸内にある、ヨセフが入っているあの監獄です。 しばらくの間、二人はそこに閉じ込められていました。ポティファルはヨセフに、彼らの世話をするよう命じました。 ある夜、二人は夢を見ました。 翌朝ヨセフが行くと、二人とも元気がなく、うなだれています。 「どうなさったのです。何か心配事でも?」 「実はゆうべ二人とも夢を見てね、その意味がさっぱりわからないので、困っていたのだ。」 「夢を解釈するのは神様です。で、どんな夢ですか? よろしければお聞かせください。」 ぶどう酒の毒味役が、先に話し始めました。「私の夢はこうだ。目の前にぶどうの木があって、見ると枝が三本ある。それにつぼみができ、花が咲き、実がなった。 私は片手に王様のワイングラスを持っていたので、その中にぶどうの汁を絞り出し、王様にささげると、それを飲んでくださった、という夢だよ。」 「その夢の意味はこうですよ。ぶどうの三本の枝は三日間という意味です。 三日したら、王様はあなたを監獄から出し、前と同じ、ぶどう酒の毒味役に取り立ててくださいます。 その時は、私のことも思い出してください。再び王様のお気に入りになられるのですから、私の身の上をじきじきに話し、ここから出られるようお口添えください。 私はもともとヘブル人ですが、さらわれてここに来たのです。そして、無実の罪で投獄されてしまったのです。」 最初の夢の解き明かしがよかったのを見て、料理長は期待しながら自分の夢を話し始めました。「私の夢では、自分の頭にパンかごを三つ載せていた。 一番上のかごは、王様の召し上がるパンやケーキ類でいっぱいだった。ところが鳥が来て、片っぱしから食べてしまったのだ。」 「三つのかごは、やはり三日間のことです。ただ、あとがいけません。三日後、あなたは死刑になります。枝につるされ、あなたの肉は鳥がついばむでしょう。」 三日後はファラオの誕生日でした。それで、王宮の役人や使用人たちをみな招いて、宴会が開かれました。その時、王が使いをやって、ぶどう酒の毒味役と料理長を呼んだので、二人は監獄から出され、王のところへ連れて来られました。 王は、毒味役を前と同じ仕事に戻したのですが、 料理長のほうは死刑にして木につるすよう命じました。ヨセフの言ったとおりでした。 ところが、毒味役はあまりにうれしくて、ヨセフのことを思い出さず、王に口添えすることをすっかり忘れてしまいました。
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