テマン人エリファズからヨブへの答え。 「あえて、ひと言いわせてほしい。 もう黙ってはいられない。 以前あなたは、悩んでいる人に向かって 神を信頼しなさいと口ぐせのように言っていた。 弱っている人、倒れそうになっている人、 立つ気力もなくして地面に座り込む人、 自暴自棄に陥った人を元気づけてきた。 ところが、いざ自分がその身になってみると、 すっかり弱り果て、自暴自棄になっている。 そんなときこそ、神を信頼するべきではないのか。 神は正しい人に目をかけてくださることが、 信じられないというのか。 考えてもみなさい。 心底から正しくて罪のない人が 罰せられるなどという話を、 一度でも聞いたことがあるか。 罪と争いの種をまく者が悩みを刈り取ることは、 経験の教えるところだ。 そのような者は、神の怒りの息吹によって死ぬ。 若いライオンのように吠えたけっていても、 押しつぶされて滅びるのだ。 いつかは、年をとって弱り果てたライオンのように 飢え、子どもたちも散り散りになる。 耳もとのささやきのように、こっそりと、 ひとつの真理が私に伝えられた。 あれは、人が寝静まった夜中だった。 私は幻を見たのだ。 急に私は恐ろしくなり、 身の毛のよだつ思いに全身がわなないた。 一つの霊が前を通り過ぎたとき、髪の毛は逆立った。 といっても、霊の気配を感じただけで、 姿を見たわけではないが。 気味が悪いほど静まりかえった中で、 どこからともなく、こう言う声が聞こえてきた。 『人にすぎない者が 神より正しいなどということがあろうか。 創造者よりきよいなどということがあろうか。』
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