列王記下 18:4-37

列王記下 18:4-37 Colloquial Japanese (1955) (JA1955)

高き所を除き、石柱をこわし、アシラ像を切り倒し、モーセの造った青銅のへびを打ち砕いた。イスラエルの人々はこの時までそのへびに向かって香をたいていたからである。人々はこれをネホシタンと呼んだ。 ヒゼキヤはイスラエルの神、主に信頼した。そのために彼のあとにも彼の先にも、ユダのすべての王のうちに彼に及ぶ者はなかった。 すなわち彼は固く主に従って離れることなく、主がモーセに命じられた命令を守った。 主が彼と共におられたので、すべて彼が出て戦うところで功をあらわした。彼はアッスリヤの王にそむいて、彼に仕えなかった。 彼はペリシテびとを撃ち敗って、ガザとその領域にまで達し、見張台から堅固な町にまで及んだ。 ヒゼキヤ王の第四年すなわちイスラエルの王エラの子ホセアの第七年に、アッスリヤの王シャルマネセルはサマリヤに攻め上って、これを囲んだが、 三年の後ついにこれを取った。サマリヤが取られたのはヒゼキヤの第六年で、それはイスラエルの王ホセアの第九年であった。 アッスリヤの王はイスラエルの人々をアッスリヤに捕えていって、ハラと、ゴザンの川ハボルのほとりと、メデアの町々に置いた。 これは彼らがその神、主の言葉にしたがわず、その契約を破り、主のしもべモーセの命じたすべての事に耳を傾けず、また行わなかったからである。 ヒゼキヤ王の第十四年にアッスリヤの王セナケリブが攻め上ってユダのすべての堅固な町々を取ったので、 ユダの王ヒゼキヤは人をラキシにつかわしてアッスリヤの王に言った、「わたしは罪を犯しました。どうぞ引き上げてください。わたしに課せられることはなんでもいたします」。アッスリヤの王は銀三百タラントと金三十タラントをユダの王ヒゼキヤに課した。 ヒゼキヤは主の宮と王の家の倉とにある銀をことごとく彼に与えた。 この時ユダの王ヒゼキヤはまた主の神殿の戸および柱から自分が着せた金をはぎ取って、アッスリヤの王に与えた。 アッスリヤの王はまたタルタン、ラブサリスおよびラブシャケを、ラキシから大軍を率いてエルサレムにいるヒゼキヤ王のもとにつかわした。彼らは上ってエルサレムに来た。彼らはエルサレムに着くと、布さらし場に行く大路に沿っている上の池の水道のかたわらへ行って、そこに立った。 そして彼らが王を呼んだので、ヒルキヤの子である宮内卿エリアキム、書記官セブナ、およびアサフの子である史官ヨアが彼らのところに出てきた。 ラブシャケは彼らに言った、「ヒゼキヤに言いなさい、『大王、アッスリヤの王はこう仰せられる。あなたが頼みとする者は何か。 口先だけの言葉が戦争をする計略と力だと考えるのか。あなたは今だれにたよって、わたしにそむいたのか。 今あなたは、あの折れかけている葦のつえ、エジプトを頼みとしているが、それは人がよりかかる時、その人の手を刺し通すであろう。エジプトの王パロはすべて寄り頼む者にそのようにする。 しかしあなたがもし「われわれは、われわれの神、主を頼む」とわたしに言うのであれば、その神はヒゼキヤがユダとエルサレムに告げて、「あなたがたはエルサレムで、この祭壇の前に礼拝しなければならない」と言って、その高き所と祭壇とを除いた者ではないか。 さあ、わたしの主君アッスリヤの王とかけをせよ。もしあなたの方に乗る人があるならば、わたしは馬二千頭を与えよう。 あなたはエジプトを頼み、戦車と騎兵を請い求めているが、わたしの主君の家来のうちの最も小さい一隊長でさえ、どうして撃退することができようか。 わたしがこの所を滅ぼすために上ってきたのは、主の許しなしにしたことであろうか。主がわたしにこの地に攻め上ってこれを滅ぼせと言われたのだ』」。 その時ヒルキヤの子エリアキムおよびセブナとヨアはラブシャケに言った、「どうぞ、アラム語でしもべどもに話してください。わたしたちは、それがわかるからです。城壁の上にいる民の聞いているところで、わたしたちにユダヤの言葉で話さないでください」。 しかしラブシャケは彼らに言った、「わたしの主君は、あなたの主君とあなたにだけでなく、城壁の上に座している人々にも、この言葉を告げるためにわたしをつかわしたのではないか。彼らも、あなたがたと共に自分の糞尿を食い飲みするに至るであろう」。 そしてラブシャケは立ちあがり、ユダヤの言葉で大声に呼ばわって言った。「大王、アッスリヤの王の言葉を聞け。 王はこう仰せられる、『あなたがたはヒゼキヤに欺かれてはならない。彼はあなたがたをわたしの手から救いだすことはできない。 ヒゼキヤが「主は必ずわれわれを救い出される。この町はアッスリヤ王の手に陥ることはない」と言っても、あなたがたは主を頼みとしてはならない』。 あなたがたはヒゼキヤの言葉を聞いてはならない。アッスリヤの王はこう仰せられる、『あなたがたはわたしと和解して、わたしに降服せよ。そうすればあなたがたはおのおの自分のぶどうの実を食べ、おのおの自分のいちじくの実を食べ、おのおの自分の井戸の水を飲むことができるであろう。 やがてわたしが来て、あなたがたを一つの国へ連れて行く。それはあなたがたの国のように穀物とぶどう酒のある地、パンとぶどう畑のある地、オリブの木と蜜のある地である。あなたがたは生きながらえることができ、死ぬことはない。ヒゼキヤが「主はわれわれを救われる」と言って、あなたがたを惑わしても彼に聞いてはならない。 諸国民の神々のうち、どの神がその国をアッスリヤの王の手から救ったか。 ハマテやアルパデの神々はどこにいるのか。セパルワイム、ヘナおよびイワの神々はどこにいるのか。彼らはサマリヤをわたしの手から救い出したか。 国々のすべての神々のうち、その国をわたしの手から救い出した者があったか。主がどうしてエルサレムをわたしの手から救い出すことができよう』」。 しかし民は黙して、ひと言も彼に答えなかった。王が命じて「彼に答えてはならない」と言っておいたからである。 こうしてヒルキヤの子である宮内卿エリアキム、書記官セブナ、およびアサフの子である史官ヨアは衣を裂き、ヒゼキヤのもとに来て、ラブシャケの言葉を彼に告げた。

列王記下 18:4-37 リビングバイブル (JCB)

ヒゼキヤ王は高台の礼拝所を取り除き、石の柱を壊し、忌まわしいアシェラ像を切り倒しました。また、人々が香をたいて祈るようになっていた、モーセの作った青銅の蛇を粉々にしました。それは王が指摘したとおり、元をただせば、ただの青銅にすぎなかったのです。 王はイスラエルの神、主に心から信頼していました。あとにも先にも、ヒゼキヤのような王はいませんでした。 すべての点で主に従い、主がモーセに授けられた命令を注意深く守りました。 主は彼とともにいて、彼のすることをみな祝福しました。彼はアッシリヤの王に刃向かい、貢ぎ物を納めることをやめました。 また、ガザとその周辺までペリシテ人の領土を占領し、大小の町々を攻撃しました。 アッシリヤ王のシャルマヌエセルがイスラエルのサマリヤの町を包囲したのは、イスラエルの王ホセアの第七年、ヒゼキヤ王の第四年のことでした。 三年後、サマリヤは陥落しました。 その時、アッシリヤの王はイスラエル人を捕虜としてアッシリヤに移し、ハラフの町、ゴザンのハボル川のほとり、メディヤの町々に住まわせました。 そうなったのは、彼らが彼らの神、主に聞き従わず、その命令を守らなかったからです。それどころか、彼らは主との契約を踏みにじり、主のしもべモーセが与えたすべてのおきてに背いたのです。 そののち、ヒゼキヤ王の第十四年に、アッシリヤの王セナケリブがユダの要塞化された町々を残らず占領しました。 ヒゼキヤは、ラキシュにいるアッシリヤ王のもとに使者を送って、和平を求めました。「私が間違っておりました。わが国から引き揚げてくださるなら、お望みどおりの賠償金を支払います。」アッシリヤの王の要求は銀三百タラントと金三十タラントでした。 ヒゼキヤ王は、神殿と宮殿の宝物倉にある銀を全部、この賠償金にあてました。 足りない分は神殿の扉と柱の金箔をはぎ取ってまで、アッシリヤの王に渡しました。 ところがアッシリヤの王は、前線の将軍、主計長、参謀長に大軍をつけてエルサレムに送ったのです。彼らは、布さらしの野(城外にあった、布をさらす職人たちの作業場)に面した大路に沿って、上の池の水道のそばに宿営しました。 三人は、ヒゼキヤ王とじきじきに話し合うことを望みましたが、ヒゼキヤは自分の代わりに、宮内長官エルヤキム、書記官シェブナ、補佐官ヨアフを休戦交渉の代表に立てました。 アッシリヤの将軍ラブ・シャケは彼らに言いました。「ヒゼキヤ王に伝えよ。アッシリヤの大王の仰せだ。『私の手からおまえを助け出せる者はいない。 外国の口先だけの援助を当てにして私に反逆するとは、もってのほかだ。同盟国の中で、どの国が実際にその約束を果たしてくれようか。エジプトか? エジプトなど頼りになるものか。エジプトは葦の杖にすぎず、おまえの重みで折れ曲がり、おまえの手を突き刺すことになるだろう。エジプトのファラオは少しも当てにならない。 それともおまえたちは、「きっと主が助けてくださる」とでも言うのか。だとしたら忘れるな。それは、おまえが取り除いた高台の祭壇の神々である。主とやらをエルサレムの祭壇で拝めと命じているとは、あきれ果てたものだ。』 どうしたらよいか教えてやろう。わが主君アッシリヤの王と賭けをするがいい。そちらが馬に乗れる者二千人を用意するなら、こちらで二千頭の馬を出そう。 おまえたちの小さな軍隊では、わが主君の軍隊の最小部隊を指揮する最下位の将校さえ、脅かすことはできまい。たとえエジプトが馬や戦車を出してくれたとしても、それが何の助けになるのか。 思い違いをするな! われわれの野心からここに来たのではない。主がわれわれを送り、『攻め上ってこの民を滅ぼせ』と言われたのだ。」 エルヤキムとシェブナ、ヨアフは、たまりかねて口をはさみました。「私たちにはアラム語がわかりますから、どうかアラム語で話してください。城壁の上にいる民が聞いているので、ヘブル語は使わないでください。」 しかし、ラブ・シャケは平然と答えました。「わが主君がわざわざ私をよこしたのは、おまえたちやおまえたちの主君とだけ話すためではない。城壁の上にいる民にも話しかけるためなのだ。彼らもおまえたちといっしょに、自分の糞を食べ、自分の尿を飲むようになるからだ。」 こう言い捨てると、彼は城壁の上にいる者たちに大声で呼びかけました。「アッシリヤの大王の仰せを聞け!  『ヒゼキヤにだまされるな。彼はおまえたちを、私の手から救い出せない。 主がわれわれを救い出してくれるとか言っているそうだが、決してだまされてはならない。 ヒゼキヤの言うことなど聞かずに、降伏せよ! そうすれば、自分の国で平和に暮らせるのだ。そのうち、この国と同じように穀物とぶどう酒がたくさんでき、オリーブの木とみつに恵まれた、新しい地に連れて行ってやろう。それが助かる唯一の道だ。いくらヒゼキヤが、主が救い出してくれると言っても、そんなたわごとに耳を貸すな。 アッシリヤの王の手から国を救った神々がいたか。 ハマテ、アルパデ、セファルワイム、ヘナ、イワの神々は、サマリヤを助けたか。 どこの神が、私の手から国を救えたか。いったい何を根拠に、主はエルサレムを救えるなどと考えているのだ。』」 城壁の上の者たちはヒゼキヤ王の命令どおり、黙って、何も答えませんでした。 ヒルキヤの子で宮内長官のエルヤキム、書記官シェブナ、アサフの子で補佐官のヨアフは、自分たちの衣を裂いてヒゼキヤ王のもとに行き、アッシリヤの将軍ラブ・シャケが言ったことを報告しました。

列王記下 18:4-37 Seisho Shinkyoudoyaku 聖書 新共同訳 (新共同訳)

聖なる高台を取り除き、石柱を打ち壊し、アシェラ像を切り倒し、モーセの造った青銅の蛇を打ち砕いた。イスラエルの人々は、このころまでこれをネフシュタンと呼んで、これに香をたいていたからである。 彼はイスラエルの神、主に依り頼んだ。その後ユダのすべての王の中で彼のような王はなく、また彼の前にもなかった。 彼は主を固く信頼し、主に背いて離れ去ることなく、主がモーセに授けられた戒めを守った。 主は彼と共におられ、彼が何を企てても成功した。彼はアッシリアの王に刃向かい、彼に服従しなかった。 彼はペリシテ人を、ガザとその領域まで、見張りの塔から砦の町まで攻撃した。 ヒゼキヤ王の治世第四年、イスラエルの王、エラの子ホシェアの治世第七年に、アッシリアの王シャルマナサルがサマリアに攻め上って来て、これを包囲し、 三年後に占領した。サマリアが占領されたのは、ヒゼキヤの治世第六年、イスラエルの王ホシェアの第九年であった。 アッシリアの王はイスラエル人を捕らえてアッシリアに連れて行き、ヘラ、ハボル、ゴザン川、メディアの町々にとどまらせた。 こうなったのは、彼らが自分たちの神、主の御声に聞き従わず、その契約と、主の僕モーセが命じたすべてのことを破ったからである。彼らは聞き従わず、実行しなかった。 ヒゼキヤ王の治世第十四年に、アッシリアの王センナケリブが攻め上り、ユダの砦の町をことごとく占領した。 ユダの王ヒゼキヤは、ラキシュにいるアッシリアの王に人を遣わし、「わたしは過ちを犯しました。どうかわたしのところから引き揚げてください。わたしは何を課せられても、御意向に沿う覚悟をしています」と言わせた。アッシリアの王はユダの王ヒゼキヤに銀三百キカルと金三十キカルを課した。 ヒゼキヤは主の神殿と王宮の宝物庫にあったすべての銀を贈った。 またこのときユダの王であるヒゼキヤは、自分が金で覆った主の神殿の扉と柱を切り取り、アッシリアの王に贈った。 アッシリアの王は、ラキシュからタルタン、ラブ・サリスおよびラブ・シャケを大軍と共にヒゼキヤ王のいるエルサレムに遣わした。彼らはエルサレムに上って来た。彼らは上って来て、布さらしの野に至る大通りに沿って上の貯水池から来る水路の傍らに立ち止まった。 彼らは王に呼びかけると、ヒルキヤの子である宮廷長エルヤキム、書記官シェブナ、アサフの子である補佐官ヨアが彼らの前に出て行った。 そこでラブ・シャケは彼らに言った。「ヒゼキヤに伝えよ。大王、アッシリアの王はこう言われる。なぜこんな頼りないものに頼っているのか。 ただ舌先だけの言葉が戦略であり戦力であると言うのか。今お前は誰を頼みにしてわたしに刃向かうのか。 今お前はエジプトというあの折れかけの葦の杖を頼みにしているが、それはだれでも寄りかかる者の手を刺し貫くだけだ。エジプトの王ファラオは自分を頼みとするすべての者にとってそのようになる。 お前たちは、『我々は我々の神、主に依り頼む』と言っているが、ヒゼキヤはユダとエルサレムに向かい、『エルサレムにあるこの祭壇の前で礼拝せよ』と言って、その主の聖なる高台と祭壇を取り除いたのではなかったか。 今わが主君、アッシリアの王とかけをせよ。もしお前の方でそれだけの乗り手を準備できるなら、こちらから二千頭の馬を与えよう。 戦車について、騎兵についてエジプトなどを頼みにしているお前に、どうしてわが主君の家臣のうちの最も小さい総督の一人すら追い返すことができようか。 わたしは今、主とかかわりなくこの所を滅ぼしに来たのだろうか。主がわたしに、『この地に向かって攻め上り、これを滅ぼせ』とお命じになったのだ。」 ヒルキヤの子エルヤキムとシェブナとヨアは、ラブ・シャケに願った。「僕どもはアラム語が分かります。どうぞアラム語でお話しください。城壁の上にいる民が聞いているところで、わたしどもにユダの言葉で話さないでください。」 だがラブ・シャケは彼らに言った。「わが主君がこれらのことを告げるためにわたしを遣わしたのは、お前の主君やお前のためだけだとでもいうのか。城壁の上に座っている者たちのためにも遣わしたのではないか。彼らもお前たちと共に自分の糞尿を飲み食いするようになるのだから。」 ラブ・シャケは立ってユダの言葉で大声で呼ばわり、こう言い放った。「大王、アッシリアの王の言葉を聞け。 王はこう言われる。『ヒゼキヤにだまされるな。彼はお前たちをわたしの手から救い出すことはできない。 ヒゼキヤはお前たちに、主が必ず我々を救い出してくださる、決してこの都がアッシリアの王の手に渡されることはない、と言って、主に依り頼ませようとするが、そうさせてはならない。』 ヒゼキヤの言うことを聞くな。アッシリアの王がこう言われるからだ。『わたしと和を結び、降伏せよ。そうすればお前たちは皆、自分のぶどうといちじくの実を食べ、自分の井戸の水を飲むことができる。 やがてわたしは来て、お前たちをお前たちの地と同じような地、穀物と新しいぶどう酒の地、パンとぶどう畑の地、オリーブと新鮮な油と蜜の地に連れて行く。こうしてお前たちは命を得、死なずに済む』と。ヒゼキヤの言うことを聞くな。彼は、主は我々を救い出してくださる、と言って、お前たちを惑わしているのだ。 諸国の神々は、それぞれ自分の地をアッシリア王の手から救い出すことができたであろうか。 ハマトやアルパドの神々はどこに行ったのか。セファルワイムやヘナやイワの神々はどこに行ったのか。サマリアをわたしの手から救い出した神があっただろうか。 国々のすべての神々のうち、どの神が自分の国をわたしの手から救い出したか。それでも主はエルサレムをわたしの手から救い出すと言うのか。」 しかし民は、答えてはならないと王に戒められていたので、押し黙ってひと言も答えなかった。 ヒルキヤの子である宮廷長エルヤキム、書記官シェブナ、アサフの子である補佐官ヨアは衣を裂き、ヒゼキヤのもとに来てラブ・シャケの言葉を伝えた。

列王記下 18:4-37 Japanese: 聖書 口語訳 (口語訳)

高き所を除き、石柱をこわし、アシラ像を切り倒し、モーセの造った青銅のへびを打ち砕いた。イスラエルの人々はこの時までそのへびに向かって香をたいていたからである。人々はこれをネホシタンと呼んだ。 ヒゼキヤはイスラエルの神、主に信頼した。そのために彼のあとにも彼の先にも、ユダのすべての王のうちに彼に及ぶ者はなかった。 すなわち彼は固く主に従って離れることなく、主がモーセに命じられた命令を守った。 主が彼と共におられたので、すべて彼が出て戦うところで功をあらわした。彼はアッスリヤの王にそむいて、彼に仕えなかった。 彼はペリシテびとを撃ち敗って、ガザとその領域にまで達し、見張台から堅固な町にまで及んだ。 ヒゼキヤ王の第四年すなわちイスラエルの王エラの子ホセアの第七年に、アッスリヤの王シャルマネセルはサマリヤに攻め上って、これを囲んだが、 三年の後ついにこれを取った。サマリヤが取られたのはヒゼキヤの第六年で、それはイスラエルの王ホセアの第九年であった。 アッスリヤの王はイスラエルの人々をアッスリヤに捕えていって、ハラと、ゴザンの川ハボルのほとりと、メデアの町々に置いた。 これは彼らがその神、主の言葉にしたがわず、その契約を破り、主のしもべモーセの命じたすべての事に耳を傾けず、また行わなかったからである。 ヒゼキヤ王の第十四年にアッスリヤの王セナケリブが攻め上ってユダのすべての堅固な町々を取ったので、 ユダの王ヒゼキヤは人をラキシにつかわしてアッスリヤの王に言った、「わたしは罪を犯しました。どうぞ引き上げてください。わたしに課せられることはなんでもいたします」。アッスリヤの王は銀三百タラントと金三十タラントをユダの王ヒゼキヤに課した。 ヒゼキヤは主の宮と王の家の倉とにある銀をことごとく彼に与えた。 この時ユダの王ヒゼキヤはまた主の神殿の戸および柱から自分が着せた金をはぎ取って、アッスリヤの王に与えた。 アッスリヤの王はまたタルタン、ラブサリスおよびラブシャケを、ラキシから大軍を率いてエルサレムにいるヒゼキヤ王のもとにつかわした。彼らは上ってエルサレムに来た。彼らはエルサレムに着くと、布さらし場に行く大路に沿っている上の池の水道のかたわらへ行って、そこに立った。 そして彼らが王を呼んだので、ヒルキヤの子である宮内卿エリアキム、書記官セブナ、およびアサフの子である史官ヨアが彼らのところに出てきた。 ラブシャケは彼らに言った、「ヒゼキヤに言いなさい、『大王、アッスリヤの王はこう仰せられる。あなたが頼みとする者は何か。 口先だけの言葉が戦争をする計略と力だと考えるのか。あなたは今だれにたよって、わたしにそむいたのか。 今あなたは、あの折れかけている葦のつえ、エジプトを頼みとしているが、それは人がよりかかる時、その人の手を刺し通すであろう。エジプトの王パロはすべて寄り頼む者にそのようにする。 しかしあなたがもし「われわれは、われわれの神、主を頼む」とわたしに言うのであれば、その神はヒゼキヤがユダとエルサレムに告げて、「あなたがたはエルサレムで、この祭壇の前に礼拝しなければならない」と言って、その高き所と祭壇とを除いた者ではないか。 さあ、わたしの主君アッスリヤの王とかけをせよ。もしあなたの方に乗る人があるならば、わたしは馬二千頭を与えよう。 あなたはエジプトを頼み、戦車と騎兵を請い求めているが、わたしの主君の家来のうちの最も小さい一隊長でさえ、どうして撃退することができようか。 わたしがこの所を滅ぼすために上ってきたのは、主の許しなしにしたことであろうか。主がわたしにこの地に攻め上ってこれを滅ぼせと言われたのだ』」。 その時ヒルキヤの子エリアキムおよびセブナとヨアはラブシャケに言った、「どうぞ、アラム語でしもべどもに話してください。わたしたちは、それがわかるからです。城壁の上にいる民の聞いているところで、わたしたちにユダヤの言葉で話さないでください」。 しかしラブシャケは彼らに言った、「わたしの主君は、あなたの主君とあなたにだけでなく、城壁の上に座している人々にも、この言葉を告げるためにわたしをつかわしたのではないか。彼らも、あなたがたと共に自分の糞尿を食い飲みするに至るであろう」。 そしてラブシャケは立ちあがり、ユダヤの言葉で大声に呼ばわって言った。「大王、アッスリヤの王の言葉を聞け。 王はこう仰せられる、『あなたがたはヒゼキヤに欺かれてはならない。彼はあなたがたをわたしの手から救いだすことはできない。 ヒゼキヤが「主は必ずわれわれを救い出される。この町はアッスリヤ王の手に陥ることはない」と言っても、あなたがたは主を頼みとしてはならない』。 あなたがたはヒゼキヤの言葉を聞いてはならない。アッスリヤの王はこう仰せられる、『あなたがたはわたしと和解して、わたしに降服せよ。そうすればあなたがたはおのおの自分のぶどうの実を食べ、おのおの自分のいちじくの実を食べ、おのおの自分の井戸の水を飲むことができるであろう。 やがてわたしが来て、あなたがたを一つの国へ連れて行く。それはあなたがたの国のように穀物とぶどう酒のある地、パンとぶどう畑のある地、オリブの木と蜜のある地である。あなたがたは生きながらえることができ、死ぬことはない。ヒゼキヤが「主はわれわれを救われる」と言って、あなたがたを惑わしても彼に聞いてはならない。 諸国民の神々のうち、どの神がその国をアッスリヤの王の手から救ったか。 ハマテやアルパデの神々はどこにいるのか。セパルワイム、ヘナおよびイワの神々はどこにいるのか。彼らはサマリヤをわたしの手から救い出したか。 国々のすべての神々のうち、その国をわたしの手から救い出した者があったか。主がどうしてエルサレムをわたしの手から救い出すことができよう』」。 しかし民は黙して、ひと言も彼に答えなかった。王が命じて「彼に答えてはならない」と言っておいたからである。 こうしてヒルキヤの子である宮内卿エリアキム、書記官セブナ、およびアサフの子である史官ヨアは衣を裂き、ヒゼキヤのもとに来て、ラブシャケの言葉を彼に告げた。