申命記 32:3-52

申命記 32:3-52 Japanese: 聖書 口語訳 (口語訳)

わたしは主の名をのべよう、 われわれの神に栄光を帰せよ。 主は岩であって、そのみわざは全く、 その道はみな正しい。 主は真実なる神であって、偽りなく、 義であって、正である。 彼らは主にむかって悪を行い、 そのきずのゆえに、もはや主の子らではなく、 よこしまで、曲ったやからである。 愚かな知恵のない民よ、 あなたがたはこのようにして主に報いるのか。 主はあなたを生み、あなたを造り、 あなたを堅く立てられたあなたの父ではないか。 いにしえの日を覚え、 代々の年を思え。 あなたの父に問え、 彼はあなたに告げるであろう。 長老たちに問え、 彼らはあなたに語るであろう。 いと高き者は人の子らを分け、 諸国民にその嗣業を与えられたとき、 イスラエルの子らの数に照して、 もろもろの民の境を定められた。 主の分はその民であって、 ヤコブはその定められた嗣業である。 主はこれを荒野の地で見いだし、 獣のほえる荒れ地で会い、 これを巡り囲んでいたわり、 目のひとみのように守られた。 わしがその巣のひなを呼び起し、 その子の上に舞いかけり、 その羽をひろげて彼らをのせ、 そのつばさの上にこれを負うように、 主はただひとりで彼を導かれて、 ほかの神々はあずからなかった。 主は彼に地の高き所を乗り通らせ、 田畑の産物を食わせ、 岩の中から蜜を吸わせ、 堅い岩から油を吸わせ、 牛の凝乳、羊の乳、 小羊と雄羊の脂肪、 バシャンの牛と雄やぎ、 小麦の良い物を食わせられた。 またあなたはぶどうのしるのあわ立つ酒を飲んだ。 しかるにエシュルンは肥え太って、足でけった。 あなたは肥え太って、つややかになり、 自分を造った神を捨て、 救の岩を侮った。 彼らはほかの神々に仕えて、主のねたみを起し、 憎むべきおこないをもって主の怒りをひき起した。 彼らは神でもない悪霊に犠牲をささげた。 それは彼らがかつて知らなかった神々、 近ごろ出た新しい神々、 先祖たちの恐れることもしなかった者である。 あなたは自分を生んだ岩を軽んじ、 自分を造った神を忘れた。 主はこれを見、 そのむすこ、娘を怒ってそれを捨てられた。 そして言われた、 『わたしはわたしの顔を彼らに隠そう。 わたしは彼らの終りがどうなるかを見よう。 彼らはそむき、もとるやから、 真実のない子らである。 彼らは神でもない者をもって、 わたしにねたみを起させ、 偶像をもって、わたしを怒らせた。 それゆえ、わたしは民ともいえない者をもって、 彼らにねたみを起させ、 愚かな民をもって、彼らを怒らせるであろう。 わたしの怒りによって、火は燃えいで、 陰府の深みにまで燃え行き、 地とその産物とを焼きつくし、 山々の基を燃やすであろう。 わたしは彼らの上に災を積みかさね、 わたしの矢を彼らにむかって射つくすであろう。 彼らは飢えて、やせ衰え、 熱病と悪い疫病によって滅びるであろう。 わたしは彼らを獣の歯にかからせ、 地に這うものの毒にあたらせるであろう。 外にはつるぎ、内には恐れがあって、 若き男も若き女も、 乳のみ子も、しらがの人も滅びるであろう。 わたしはまさに言おうとした、「彼らを遠く散らし、 彼らの事を人々が記憶しないようにしよう」。 しかし、わたしは敵が誇るのを恐れる。 あだびとはまちがえて言うであろう、 「われわれの手が勝ちをえたのだ。 これはみな主がされたことではない」』。 彼らは思慮の欠けた民、 そのうちには知識がない。 もし、彼らに知恵があれば、これをさとり、 その身の終りをわきまえたであろうに。 彼らの岩が彼らを売らず、 主が彼らをわたされなかったならば、 どうして、ひとりで千人を追い、 ふたりで万人を敗ることができたであろう。 彼らの岩はわれらの岩に及ばない。 われらの敵もこれを認めている。 彼らのぶどうの木は、 ソドムのぶどうの木から出たもの、 またゴモラの野から出たもの、 そのぶどうは毒ぶどう、 そのふさは苦い。 そのぶどう酒はへびの毒のよう、 まむしの恐ろしい毒のようである。 これはわたしのもとにたくわえられ、 わたしの倉に封じ込められているではないか。 彼らの足がすべるとき、 わたしはあだを返し、報いをするであろう。 彼らの災の日は近く、 彼らの破滅は、 すみやかに来るであろう。 主はついにその民をさばき、 そのしもべらにあわれみを加えられるであろう。 これは彼らの力がうせ去り、 つながれた者もつながれない者も、 もはやいなくなったのを、主が見られるからである。 そのとき主は言われるであろう、 『彼らの神々はどこにいるか、 彼らの頼みとした岩はどこにあるか。 彼らの犠牲のあぶらを食い、 灌祭の酒を飲んだ者はどこにいるか。 立ちあがってあなたがたを助けさせよ、 あなたがたを守らせよ。 今見よ、わたしこそは彼である。 わたしのほかに神はない。 わたしは殺し、また生かし、 傷つけ、またいやす。 わたしの手から救い出しうるものはない。 わたしは天にむかい手をあげて誓う、 「わたしは永遠に生きる。 わたしがきらめくつるぎをとぎ、 手にさばきを握るとき、 わたしは敵にあだを返し、 わたしを憎む者に報復するであろう。 わたしの矢を血に酔わせ、 わたしのつるぎに肉を食わせるであろう。 殺された者と捕えられた者の血を飲ませ、 敵の長髪の頭の肉を食わせるであろう」』。 国々の民よ、主の民のために喜び歌え。 主はそのしもべの血のために報復し、 その敵にあだを返し、 その民の地の汚れを清められるからである」。 モーセとヌンの子ヨシュアは共に行って、この歌の言葉を、ことごとく民に読み聞かせた。 モーセはこの言葉を、ことごとくイスラエルのすべての人に告げ終って、 彼らに言った、「あなたがたはわたしが、きょう、あなたがたに命じるこのすべての言葉を心におさめ、子供たちにもこの律法のすべての言葉を守り行うことを命じなければならない。 この言葉はあなたがたにとって、むなしい言葉ではない。これはあなたがたのいのちである。この言葉により、あなたがたはヨルダンを渡って行って取る地で、長く命を保つことができるであろう」。 この日、主はモーセに言われた、 「あなたはエリコに対するモアブの地にあるアバリム山すなわちネボ山に登り、わたしがイスラエルの人々に与えて獲させるカナンの地を見渡せ。 あなたは登って行くその山で死に、あなたの民に連なるであろう。あなたの兄弟アロンがホル山で死んでその民に連なったようになるであろう。 これはあなたがたがチンの荒野にあるメリバテ・カデシの水のほとりで、イスラエルの人々のうちでわたしにそむき、イスラエルの人々のうちでわたしを聖なるものとして敬わなかったからである。 それであなたはわたしがイスラエルの人々に与える地を、目の前に見るであろう。しかし、その地に、はいることはできない」。

申命記 32:3-52 Colloquial Japanese (1955) (JA1955)

わたしは主の名をのべよう、われわれの神に栄光を帰せよ。 主は岩であって、そのみわざは全く、その道はみな正しい。主は真実なる神であって、偽りなく、義であって、正である。 彼らは主にむかって悪を行い、そのきずのゆえに、もはや主の子らではなく、よこしまで、曲ったやからである。 愚かな知恵のない民よ、あなたがたはこのようにして主に報いるのか。主はあなたを生み、あなたを造り、あなたを堅く立てられたあなたの父ではないか。 いにしえの日を覚え、代々の年を思え。あなたの父に問え、彼はあなたに告げるであろう。長老たちに問え、彼らはあなたに語るであろう。 いと高き者は人の子らを分け、諸国民にその嗣業を与えられたとき、イスラエルの子らの数に照して、もろもろの民の境を定められた。 主の分はその民であって、ヤコブはその定められた嗣業である。 主はこれを荒野の地で見いだし、獣のほえる荒れ地で会い、これを巡り囲んでいたわり、目のひとみのように守られた。 わしがその巣のひなを呼び起し、その子の上に舞いかけり、その羽をひろげて彼らをのせ、そのつばさの上にこれを負うように、 主はただひとりで彼を導かれて、ほかの神々はあずからなかった。 主は彼に地の高き所を乗り通らせ、田畑の産物を食わせ、岩の中から蜜を吸わせ、堅い岩から油を吸わせ、 牛の凝乳、羊の乳、小羊と雄羊の脂肪、バシャンの牛と雄やぎ、小麦の良い物を食わせられた。またあなたはぶどうのしるのあわ立つ酒を飲んだ。 しかるにエシュルンは肥え太って、足でけった。あなたは肥え太って、つややかになり、自分を造った神を捨て、救の岩を侮った。 彼らはほかの神々に仕えて、主のねたみを起し、憎むべきおこないをもって主の怒りをひき起した。 彼らは神でもない悪霊に犠牲をささげた。それは彼らがかつて知らなかった神々、近ごろ出た新しい神々、先祖たちの恐れることもしなかった者である。 あなたは自分を生んだ岩を軽んじ、自分を造った神を忘れた。 主はこれを見、そのむすこ、娘を怒ってそれを捨てられた。 そして言われた、『わたしはわたしの顔を彼らに隠そう。わたしは彼らの終りがどうなるかを見よう。彼らはそむき、もとるやから、真実のない子らである。 彼らは神でもない者をもって、わたしにねたみを起させ、偶像をもって、わたしを怒らせた。それゆえ、わたしは民ともいえない者をもって、彼らにねたみを起させ、愚かな民をもって、彼らを怒らせるであろう。 わたしの怒りによって、火は燃えいで、陰府の深みにまで燃え行き、地とその産物とを焼きつくし、山々の基を燃やすであろう。 わたしは彼らの上に災を積みかさね、わたしの矢を彼らにむかって射つくすであろう。 彼らは飢えて、やせ衰え、熱病と悪い疫病によって滅びるであろう。わたしは彼らを獣の歯にかからせ、地に這うものの毒にあたらせるであろう。 外にはつるぎ、内には恐れがあって、若き男も若き女も、乳のみ子も、しらがの人も滅びるであろう。 わたしはまさに言おうとした、「彼らを遠く散らし、彼らの事を人々が記憶しないようにしよう」。 しかし、わたしは敵が誇るのを恐れる。あだびとはまちがえて言うであろう、「われわれの手が勝ちをえたのだ。これはみな主がされたことではない」』。 彼らは思慮の欠けた民、そのうちには知識がない。 もし、彼らに知恵があれば、これをさとり、その身の終りをわきまえたであろうに。 彼らの岩が彼らを売らず、主が彼らをわたされなかったならば、どうして、ひとりで千人を追い、ふたりで万人を敗ることができたであろう。 彼らの岩はわれらの岩に及ばない。われらの敵もこれを認めている。 彼らのぶどうの木は、ソドムのぶどうの木から出たもの、またゴモラの野から出たもの、そのぶどうは毒ぶどう、そのふさは苦い。 そのぶどう酒はへびの毒のよう、まむしの恐ろしい毒のようである。 これはわたしのもとにたくわえられ、わたしの倉に封じ込められているではないか。 彼らの足がすべるとき、わたしはあだを返し、報いをするであろう。彼らの災の日は近く、彼らの破滅は、すみやかに来るであろう。 主はついにその民をさばき、そのしもべらにあわれみを加えられるであろう。これは彼らの力がうせ去り、つながれた者もつながれない者も、もはやいなくなったのを、主が見られるからである。 そのとき主は言われるであろう、『彼らの神々はどこにいるか、彼らの頼みとした岩はどこにあるか。 彼らの犠牲のあぶらを食い、灌祭の酒を飲んだ者はどこにいるか。立ちあがってあなたがたを助けさせよ、あなたがたを守らせよ。 今見よ、わたしこそは彼である。わたしのほかに神はない。わたしは殺し、また生かし、傷つけ、またいやす。わたしの手から救い出しうるものはない。 わたしは天にむかい手をあげて誓う、「わたしは永遠に生きる。 わたしがきらめくつるぎをとぎ、手にさばきを握るとき、わたしは敵にあだを返し、わたしを憎む者に報復するであろう。 わたしの矢を血に酔わせ、わたしのつるぎに肉を食わせるであろう。殺された者と捕えられた者の血を飲ませ、敵の長髪の頭の肉を食わせるであろう」』。 国々の民よ、主の民のために喜び歌え。主はそのしもべの血のために報復し、その敵にあだを返し、その民の地の汚れを清められるからである」。 モーセとヌンの子ヨシュアは共に行って、この歌の言葉を、ことごとく民に読み聞かせた。 モーセはこの言葉を、ことごとくイスラエルのすべての人に告げ終って、 彼らに言った、「あなたがたはわたしが、きょう、あなたがたに命じるこのすべての言葉を心におさめ、子供たちにもこの律法のすべての言葉を守り行うことを命じなければならない。 この言葉はあなたがたにとって、むなしい言葉ではない。これはあなたがたのいのちである。この言葉により、あなたがたはヨルダンを渡って行って取る地で、長く命を保つことができるであろう」。 この日、主はモーセに言われた、 「あなたはエリコに対するモアブの地にあるアバリム山すなわちネボ山に登り、わたしがイスラエルの人々に与えて獲させるカナンの地を見渡せ。 あなたは登って行くその山で死に、あなたの民に連なるであろう。あなたの兄弟アロンがホル山で死んでその民に連なったようになるであろう。 これはあなたがたがチンの荒野にあるメリバテ・カデシの水のほとりで、イスラエルの人々のうちでわたしにそむき、イスラエルの人々のうちでわたしを聖なるものとして敬わなかったからである。 それであなたはわたしがイスラエルの人々に与える地を、目の前に見るであろう。しかし、その地に、はいることはできない」。

申命記 32:3-52 リビングバイブル (JCB)

さあ、主の偉大さを告げよう。 主は、この上なくすばらしい方。 岩のように堅く、なさることはみな完全で正しく、 何事にも公平で忠実な方。 主はいつも潔白な方。 しかし、イスラエルは堕落し、罪に汚れてしまった。 強情で曲がったことばかりする。 もはや神の民ではない。 これが主への恩返しか。 愚かな民よ。 神は父親ではなかったか。 あなたの造り主ではなかったか。 あなたを強く育て上げた方ではなかったか。 昔を思い出せ。 父や老人に聞けば、すべてがはっきりするだろう。 世界を造られた時、 神は天使を遣わし、国々を監督させた。 だが、イスラエルは特別だ。 神ご自身のものだからだ。 獣の遠ぼえの聞こえる寂しい荒野を行く時、 神はまるで自分の目のようにイスラエルを守られた。 わしが翼を広げ、ひなを乗せて飛ぶように、 神はその国民を、翼に乗せて運ばれる。 主だけがイスラエルを指導し、 国民が外国の神々を知らずにいた時、 丘は豊かな実りを約束し、 ゆるやかに起伏する畑は肥えていた。 岩からはちみつが、石地からオリーブ油が採れた。 ほかにも、乳と肉、バシャンの極上の雄羊と雄やぎ、 最良の小麦、あわ立つぶどう酒と、 何でも欲しいだけあった。 イスラエルはじきに満腹し、丸々と太った。 ぜいたくに慣れて高慢になり、 自分を造った神を捨て、 救いの岩を軽んじた。 イスラエルは外国の神々のあとを追い、 神の激しい怒りを燃えさせた。 あろうことか、外国の神々、 それまで拝んだこともない神々に いけにえをささげた。 生みの親である岩をけとばし、 いのちを与えてくれた神を忘れるとは。 神は憎しみに燃えた。 自分の息子、娘たちに侮辱されたのだ。 ついに神は言われた。 「強情で不信仰な者ども、 もうわたしは知らない。 どんなことになるか見ているがいい。 恨みを買ってでも、まやかし物の偶像を拝みたいのか。 ならば報いを与えよう。 あなたを捨て、 無知な異教の諸国民に救いを与えるから、 さんざん恨みごとを言うがいい。 わたしの怒りの炎は燃え上がり、 地とその産物を焼き尽くし、 山々をなめ尽くす。 息つくまもなく災いを下し、 次々と矢を放ち、射倒そう。 飢えと熱病と不治の病で痛めつけてもかまわない。 滅ぼしてしまおう。 野獣が彼らを八つ裂きにし、 毒蛇は獲物を求めて地をはい回る。 外には敵の剣、内には恐れ。 老人も若者も、乳飲み子さえも逃れられない。 あげくは、遠い国へ散り散りに追いやる。 そこに彼らがいたことさえ忘れさせるために。 だが、それでは敵の思うつぼだ。 『われわれがイスラエルを滅ぼした。 主なんかじゃない』と大言壮語させることになる。」 イスラエルは愚かな国、知恵のない、わからず屋。 ああ、少しでも知恵があり、ものわかりがよかったら、 自分の末路を見きわめることもできたろうに。 彼らの岩である主が見捨てず、 滅ぼそうとされなかったら、 一人の敵が千人を追い散らし、 二人が万人を敗走させることもなかったろうに。 この岩にまさる岩はどこにもない。 敵も、神々への祈りがむなしいことを知っている。 彼らの行いは、ソドム、ゴモラの人たちと同じで、 苦々しい毒がある。 彼らの飲むぶどう酒はまむしの毒液だ。 「だがイスラエルは、わたしの取っておきの国民、 倉に納めた宝だ。 復讐はわたしの務め、 イスラエルの敵には罰を下す。 判決はすでに下った。」 神はイスラエルをさばき、 彼らの失敗を優しくかばわれる。 奴隷も自由人も力が衰えていくのを見て、 こう言われる。 「ほかの神々はどこへ行った。 頼みの岩はどうしたのだ。 あぶら身やぶどう酒をささげた神々はどうなったのか。 さあ、神々を奮い立たせて助けてもらうがいい。 どうだ、よくわかったか。 ほんとうの神はわたしだけなのだ。 殺すも生かすも、 傷つけるのも癒やすのも、思いのまま。 わたしの手から救い出せる者はいない。 手を天に差し伸べ、わたしの存在をかけて誓おう。 きらめく剣をとぎすまし、敵に刑罰を下す。 矢は血に酔いしれ、剣は肉と血をむさぼる。 刺し殺され、捕らわれた者の肉と血を。 敵の頭は血にまみれる。」 異教の国民よ、神の国民をたたえよ。 神は彼らのかたきを討ち、 御国と民をきよめられたから。 モーセはヨシュアとともにこの歌を歌い終えると、 人々に命じました。「今日与えた律法をすべて心に留め、子どもたちに教えなさい。 この律法は、ただ意味もなくことばを並べてあるのではありません。あなたがたのいのちそのものです。この律法を守れば、ヨルダン川の向こうの、これから占領する地で、長く生きることができる。」 同じ日、主はモーセに告げて語りました。 「エリコに向かい合った、モアブのアバリム高地にあるネボ山に登りなさい。頂上から、わたしがイスラエル人に与えるカナンの国を見渡すのだ。 兄のアロンがホル山で死に、先祖の仲間入りをしたように、あなたもその国を見たら、先祖の仲間入りをしなければならない。 ツィンの荒野のメリバテ・カデシュの泉でしたことの報いだ。あの時あなたは、わたしの神聖さを人々に示さなかった。 だから、約束の地を目の前にしながら、入って行くことはできない。」

申命記 32:3-52 Seisho Shinkyoudoyaku 聖書 新共同訳 (新共同訳)

わたしは主の御名を唱える。 御力をわたしたちの神に帰せよ。 主は岩、その御業は完全で その道はことごとく正しい。 真実の神で偽りなく 正しくてまっすぐな方。 不正を好む曲がった世代はしかし、神を離れ その傷ゆえに、もはや神の子らではない。 愚かで知恵のない民よ これが主に向かって報いることか。 彼は造り主なる父 あなたを造り、堅く立てられた方。 遠い昔の日々を思い起こし 代々の年を顧みよ。 あなたの父に問えば、告げてくれるだろう。 長老に尋ねれば、話してくれるだろう。 いと高き神が国々に嗣業の土地を分け 人の子らを割りふられたとき 神の子らの数に従い 国々の境を設けられた。 主に割り当てられたのはその民 ヤコブが主に定められた嗣業。 主は荒れ野で彼を見いだし 獣のほえる不毛の地でこれを見つけ これを囲い、いたわり 御自分のひとみのように守られた。 鷲が巣を揺り動かし 雛の上を飛びかけり 羽を広げて捕らえ 翼に乗せて運ぶように ただ主のみ、その民を導き 外国の神は彼と共にいなかった。 主はこれを丘陵の地に導き上り 野の作物で養い 岩から野蜜を 硬い岩から油を得させられた。 彼らは、牛の凝乳、羊の乳 雄羊の脂身 バシャンの雄牛と雄山羊 極上の小麦を与えられ 深紅のぶどう酒、泡立つ酒を飲んだ。 エシュルンはしかし、肥えると足でけった。 お前は肥え太ると、かたくなになり 造り主なる神を捨て、救いの岩を侮った。 彼らは他の神々に心を寄せ 主にねたみを起こさせ いとうべきことを行って、主を怒らせた。 彼らは神ならぬ悪霊に犠牲をささげ 新しく現れ、先祖も知らなかった 無縁の神々に犠牲をささげた。 お前は自分を産み出した岩を思わず 産みの苦しみをされた神を忘れた。 主はこれを見て 御自分の息子、娘への憤りのゆえに 彼らを退けて、 言われた。 わたしは、わたしの顔を隠して 彼らの行く末を見届けよう。 彼らは逆らう世代 真実のない子らだ。 彼らは神ならぬものをもって わたしのねたみを引き起こし むなしいものをもって わたしの怒りを燃えたたせた。 それゆえ、わたしは民ならぬ者をもって 彼らのねたみを引き起こし 愚かな国をもって 彼らの怒りを燃えたたせる。 わが怒りの火は燃え上がり 陰府の底にまで及び 地とその実りをなめ尽くし 山々の基を焼き払う。 わたしは、彼らに災いを加え わたしの矢を彼らに向かって射尽くすであろう。 彼らは飢えてやせ衰え 熱病と激しい病魔のために弱る。 わたしは野獣の牙を 地を這うものの猛毒と共に彼らに送る。 外では剣が命を奪い 家には恐れがあって 若い男と女、乳飲み子と白髪の者を共に襲う。 わたしは言ったであろう。「彼らを跡形もなくし 人々から彼らの記憶を消してしまおう」と。 もし、敵が高ぶり、苦しめる者が誤解して 「我々の手が勝ちを得た これを成し遂げたのは主ではない」と言うのを わたしが恐れなかったならば。 彼らは思慮に欠けた国民 彼らには洞察する力がない。 もし、彼らに知恵があれば、悟ったであろうに。 自分の行く末も分かったであろうに。 もし、岩なる神が彼らを売らず 主が渡されなかったなら どうして一人で千人を追い 二人で万人を破りえたであろうか。 しかし、彼らの岩は我々の岩に及ばない。 我々の敵もそのことは認めている。 彼らのぶどうの木は、ソドムのぶどうの木で ゴモラの畑で育ったもの。 そのぶどうは毒ぶどう その房は苦い。 そのぶどう酒は、蛇の毒 コブラの猛毒。 これは、わたしのもとに蓄えてあり わたしの倉に封じ込めてあるではないか。 わたしが報復し、報いをする 彼らの足がよろめく時まで。彼らの災いの日は近い。 彼らの終わりは速やかに来る。 主は御自分の民の裁きを行い 僕らを力づけられる。 主が見られるからである 彼らの力がうせ去り 未成年者も成人した者もいなくなったのを。 主は言われる。「どこにいるのか、彼らの神々は。 どこにあるのか、彼らが身を寄せる岩は。 彼らはいけにえの脂肪を食らい 注がれた酒を飲んだではないか。 さあ、その神々に助けてもらえ お前たちの避け所となってもらえ。 しかし見よ、わたしこそ、わたしこそそれである。 わたしのほかに神はない。 わたしは殺し、また生かす。 わたしは傷つけ、またいやす。 わが手を逃れうる者は、一人もない。 わたしは手を天に上げて誓う。 『わたしの永遠の命にかけて きらめく剣を研ぎ、手に裁きを握るとき わたしは苦しめる者に報復し わたしを憎む者に報いる。 わたしの矢を血に酔わせ わたしの剣に肉を食らわせる。殺された者と捕らえられた者の血を飲ませ 髪を伸ばした敵の首領の肉を食らわせる。』」 国々よ、主の民に喜びの声をあげよ。 主はその僕らの血に報復し 苦しめる者に報復して、その民の土地を贖われる。 モーセは、ヌンの子ホシェアと共に来て、この歌の言葉をすべて民に語り聞かせた。 モーセは全イスラエルにこれらの言葉をすべて語り終えてから、 こう言った。 「あなたたちは、今日わたしがあなたたちに対して証言するすべての言葉を心に留め、子供たちに命じて、この律法の言葉をすべて忠実に守らせなさい。 それは、あなたたちにとって決してむなしい言葉ではなく、あなたたちの命である。この言葉によって、あなたたちはヨルダン川を渡って得る土地で長く生きることができる。」 その同じ日に、主はモーセに仰せになった。 「エリコの向かいにあるモアブ領のアバリム山地のネボ山に登り、わたしがイスラエルの人々に所有地として与えるカナンの土地を見渡しなさい。 あなたは登って行くその山で死に、先祖の列に加えられる。兄弟アロンがホル山で死に、先祖の列に加えられたように。 あなたたちは、ツィンの荒れ野にあるカデシュのメリバの泉で、イスラエルの人々の中でわたしに背き、イスラエルの人々の間でわたしの聖なることを示さなかったからである。 あなたはそれゆえ、わたしがイスラエルの人々に与える土地をはるかに望み見るが、そこに入ることはできない。」