エレミヤ書 32:1-42
エレミヤ書 32:1-42 Colloquial Japanese (1955) (JA1955)
ユダの王ゼデキヤの十年、すなわちネブカデレザルの十八年に、主の言葉がエレミヤに臨んだ。 その時、バビロンの王の軍勢がエルサレムを攻め囲んでいて、預言者エレミヤはユダの王の宮殿にある監視の庭のうちに監禁されていた。 ユダの王ゼデキヤが彼を閉じ込めたのであるが、王は言った、「なぜあなたは預言して言うのか、『主はこう仰せられる、見よ、わたしはこの町をバビロンの王の手に渡し、彼はこれを取る。 またユダの王ゼデキヤはカルデヤびとの手をのがれることなく、かならずバビロンの王の手に渡され、顔と顔を合わせて彼と語り、目と目は相まみえる。 そして彼はゼデキヤをバビロンに引いていき、ゼデキヤは、わたしが彼を顧みる時まで、そこにいると主は言われる。あなたがたは、カルデヤびとと戦っても勝つことはできない』と」。 エレミヤは言った、「主の言葉がわたしに臨んで言われる、 『見よ、あなたのおじシャルムの子ハナメルがあなたの所に来て言う、「アナトテにあるわたしの畑を買いなさい。それは、これを買い取り、あがなう権利があなたにあるから」と』。 はたして主の言葉のように、わたしのいとこであるハナメルが監視の庭のうちにいるわたしの所に来て言った、『ベニヤミンの地のアナトテにあるわたしの畑を買ってください。所有するのも、あがなうのも、あなたの権利なのです。買い取ってあなたの物にしてください。これが主の言葉であるのをわたしは知っていました』。 そこでわたしは、いとこのハナメルからアナトテにある畑を買い取り、銀十七シケルを量って彼に支払った。 すなわち、わたしはその証書をつくって、これに記名し、それを封印し、証人を立て、はかりをもって銀を量って与えた。 そしてわたしはその約定をしるして封印した買収証書と、封印のない写しとを取り、 いとこのハナメルと、買収証書に記名した証人たち、および監視の庭にすわっているすべてのユダヤ人の前で、その証書をマアセヤの子であるネリヤの子バルクに与え、 彼らの前で、わたしはバルクに命じて言った、 『万軍の主、イスラエルの神はこう仰せられる、これらの証書すなわち、この買収証書の封印したものと、封印のない写しとを取り、これらを土の器に入れて、長く保存せよ。 万軍の主、イスラエルの神がこう言われるからである、「この地で人々はまた家と畑とぶどう畑を買うようになる」と』。 わたしは買収証書をネリヤの子バルクに渡したあとで主に祈って言った、 『ああ主なる神よ、あなたは大いなる力と、伸べた腕をもって天と地をお造りになったのです。あなたのできないことは、ひとつもありません。 あなたはいつくしみを千万人に施し、また父の罪をそののちの子孫に報いられるのです。あなたは大いなる全能の神でいらせられ、その名は万軍の主と申されます。 あなたの計りごとは大きく、また、事を行うのに力があり、あなたの目は人々の歩むすべての道を見て、おのおのの道にしたがい、その行いの実によってこれに報いられます。 あなたは、しるしと、不思議なわざとをエジプトの地に行い、また今日に至るまでイスラエルと全人類のうちに行い、そして今日のように名をあげられました。 あなたは、しるしと、不思議なわざと、強い手と、伸べた腕と、大いなる恐るべき事をもって、あなたの民イスラエルをエジプトの地から導き出し、 この地を彼らに賜わりました。これはあなたが彼らの先祖たちに与えようと誓われた乳と蜜の流れる地です。 こうして彼らは、はいってこれを獲たのですが、あなたの声に聞き従わず、あなたの律法を行わず、すべてあなたがせよと命じられたことをしなかったので、あなたはこの災を彼らの上にお下しになりました。 見よ、塁が築きあげられたのは、この町を取るためです。つるぎと、ききんと、疫病のために、町はこれを攻めているカルデヤびとの手に渡されます。あなたの言われたようになりましたのは、ごらんのとおりであります。 主なる神よ、あなたはわたしに言われました、「銀をもって畑を買い、証人を立てよ」と。そうであるのに、町はカルデヤびとの手に渡されています』」。 主の言葉がエレミヤに臨んだ、 「見よ、わたしは主である、すべて命ある者の神である。わたしにできない事があろうか。 それゆえ、主はこう言われる、見よ、わたしはこの町をカルデヤびとと、バビロンの王ネブカデレザルの手に渡す。彼はこれを取る。 この町を攻めているカルデヤびとがきて、この町に火をつけて焼き払う。屋根の上で人々が、バアルに香をたき、ほかの神々に酒をそそいで、わたしを怒らせたその家をも彼らは焼く。 それは、イスラエルの人々とユダの人々とは、その若い時から、わたしの前に悪いことのみを行い、またイスラエルの民はその手のわざをもって、わたしを怒らせることばかりをしたからであると主は言われる。 この町はそれが建った日からきょうまで、わたしの怒りと憤りとをひき起してきたので、わたしの前からこれを除き去るのである。 それは、イスラエルの民とユダの民とが、もろもろの悪を行って、わたしを怒らせたことによるのである。-彼らの王たちと、そのつかさたち、祭司たち、預言者たち、またユダの人々とエルサレムの住民たちが皆そうである。 彼らはその背中をわたしに向けて顔をわたしに向けず、わたしがたゆまず教えたにもかかわらず、彼らは教を聞かず、またうけないのである。 彼らは憎むべき物を、わが名をもって呼ばれている家にすえつけて、そこを汚し、 またベンヒンノムの谷にバアルの高き所を築いて、むすこ娘をモレクにささげた。わたしは彼らにこのようなことを命じたことはなく、また彼らがこの憎むべきことを行って、ユダに罪を犯させようとは考えもしなかった。 それゆえ今イスラエルの神、主は、この町、すなわちあなたがたが、『つるぎと、ききんと、疫病のためにバビロンの王の手に渡される』といっている町についてこう仰せられる、 見よ、わたしは、わたしの怒りと憤りと大いなる怒りをもって、彼らを追いやったもろもろの国から彼らを集め、この所へ導きかえって、安らかに住まわせる。 そして彼らはわたしの民となり、わたしは彼らの神となる。 わたしは彼らに一つの心と一つの道を与えて常にわたしを恐れさせる。これは彼らが彼ら自身とその後の子孫の幸を得るためである。 わたしは彼らと永遠の契約を立てて、彼らを見捨てずに恵みを施すことを誓い、またわたしを恐れる恐れを彼らの心に置いて、わたしを離れることのないようにしよう。 わたしは彼らに恵みを施すことを喜びとし、心をつくし、精神をつくし、真実をもって彼らをこの地に植える。 主はこう仰せられる、わたしがこのもろもろの大きな災をこの民に下したように、わたしが彼らに約束するもろもろの幸を彼らの上に下す。
エレミヤ書 32:1-42 リビングバイブル (JCB)
ネブカデネザル王の第十八年に当たる、ユダ王国のゼデキヤ王の第十年に、主からエレミヤに次のことばがありました。 そのころ、エレミヤは王宮の地下牢に閉じ込められており、バビロンの軍隊はエルサレムを包囲していました。 ゼデキヤ王が彼をそこに閉じ込めたのは、彼があくまで、エルサレムはバビロンの王に占領され、 ゼデキヤ王も捕まり、捕虜としてバビロンの王の前に連れ出され、さばかれると預言し続けたからです。 「彼は王をバビロンへ連れて行き、死ぬまで牢に入れておきます。どうして、この事実を素直に認めないのですか。勝てるはずがありません。今、降伏しなさい。」エレミヤは何度も言いました。 その時、主からエレミヤに次のことばがありました。「まもなく、シャルムの子ハナムエルが来て、アナトテにある畑を買ってほしいと頼む。おまえはいとこなので、法律によって、それを買う優先権があるからだ。」 ハナムエルは、そのとおり、牢にいるエレミヤを訪ね、こう頼みました。「ベニヤミンの地のアナトテにある、私の畑を買ってくれないか。法律によって、君にそれを買う優先権があるのだ。」私は、彼の言うことが間違いなく主から出たことを知りました。 私は畑を買い、ハナムエルに銀貨十七枚を払いました。 証人の前で契約書に署名したうえで封印し、支払いをすませたのです。 それから、さまざまの規約を記した封印された証書と、封印されていない写しを受け取り、 いとこのハナムエルと証書に署名した証人との前で、看守に見守られながら、その証書をマフセヤの子ネリヤの子であるバルクに渡しました。 それから、全員の聞いている前でこう指示しました。 「イスラエルの神である天の軍勢の主の命令です。『封印してある証書と封印のない写しを、つぼに入れて長く保管しておきなさい。 やがてこの証書に価値の出る時がくる。そのうちに必ず、人々は再びこの国に土地を持ち、家やぶどう園や畑を売り買いするようになる。』」 証書をバルクに渡すと、私は祈りました。 「ああ神よ。あなたは大きな力をもって天と地をお造りました。あなたにとって、難しいことは何一つありません。 あなたは愛と恵みに満ちたお方です。しかし、父親が罪を犯したら、その子どもを苦しめるお方でもあります。偉大な全能の神、天の軍勢の主です。 あらゆる知恵をたくわえ、目をみはる大きな奇跡を行います。神の視線は人のすべての道に注がれており、それぞれの生き方と行為に従って、一人一人に報いるのです。 あなたはエジプトでは、信じられないようなことを行いました。それらはみな、今日も私たちの記憶に残っています。しかもあなたは、イスラエルばかりか全世界で、今も大きな奇跡を行い続けています。こうして、ご自分の名を今日のように偉大なものとしました。 神は、目をみはる奇跡と、大きな力、大きな恐れをもって、イスラエル人をエジプトから連れ出しました。 ずっと以前に先祖に約束したこの国をお与えになりました。まことにそれは、乳とみつの流れる地です。 私たちの先祖はこの地を占領し、ここに住みつくようになりました。ところが、彼らは神に従わず、神のおきてを守りませんでした。神に命じられたことを、一つも行おうとしませんでした。だからこそ、この恐ろしい災いが下ったのです。 ごらんください。町の城壁沿いに、とりでが築き上げられました。バビロニヤ人がこの町を、剣とききんと疫病によって攻め取ろうとしています。何もかも、おことばのとおりになりました。 まもなくこの町が敵の手に渡るというのに、神は私に、畑を買い、証人たちの前で大金を払うようにお命じになるのです。」 すると、エレミヤにこのようなことばがありました。 「わたしは、全人類の神、主だ。わたしにとって、不可能なことは一つもない。 わたしは必ず、この町をバビロニヤ人とバビロンのネブカデネザル王の手に渡す。彼がここを占領する。 また、今城壁の外にいるバビロニヤ人は、市内に侵入して町に火をつける。屋上で香をたき、ほかの神々にぶどう酒を注いで、わたしの激しい怒りを買う原因となった家々を焼き払う。 イスラエルとユダは、若いころから悪いことばかりしてきた。彼らは、ありとあらゆる悪でわたしを激怒させた。 この町は、建てられた時から今日まで、わたしを怒らせることばかりしてきた。だから、わたしはこの町を滅ぼす。 イスラエルとユダの罪が、わたしを怒らせる。 彼らはわたしに背いたまま、いっこうに立ち返ろうとしない。わたしは毎年、くる日もくる日も正しいことと悪いことの区別を教えたのに、彼らは聞こうとも、言いつけを守ろうともしない。 神殿の中でさえ憎むべき偶像を拝み、そこを汚した。 それでも足りず、ヒノムの谷にバアルの高い祭壇を築いた。そして自分の子どもを焼き、モレクへのいけにえとした。こんなことは、命じた覚えもなければ、考えもしなかったことだ。ユダに大きな罪を犯させる原因となったこの罪は、けたはずれに大きなものだ。 だから今、イスラエルの神であるわたしは、この町が戦争とききんと疫病によってバビロン王の手に落ちると断言する。 しかしわたしは、わたしの民を、憤って散らした国々から連れ戻す。この町に連れ帰って、安らかに住まわせる。 こうして彼らはわたしの民となり、わたしは彼らの神となる。 また、わたしは彼らと彼らの子孫のためを考えて、彼らに、わたしを永久にあがめる心と思いを与える。 わたしは、二度と彼らを見限ることはなく、恵みだけを与える約束として、彼らと永遠の契約を結ぶ。彼らの心に、わたしを礼拝しようという願いを入れるので、どんなことがあってもわたしから離れなくなる。 わたしは心から喜んで彼らを幸福にし、再びこの地に植える。 これらの恐怖と災いを送ったように、その時は、約束したすべての祝福を注ぐ。
エレミヤ書 32:1-42 Seisho Shinkyoudoyaku 聖書 新共同訳 (新共同訳)
主からエレミヤに臨んだ言葉。ユダの王ゼデキヤの第十年、ネブカドレツァルの第十八年のことであった。 そのとき、バビロンの王の軍隊がエルサレムを包囲していた。預言者エレミヤは、ユダの王の宮殿にある獄舎に拘留されていた。 ユダの王ゼデキヤが、「なぜ、お前はこんなことを預言するのか」と言って、彼を拘留したのである。 エレミヤの預言はこうである。 「主はこう言われる。見よ、わたしはこの都をバビロンの王の手に渡す。彼はこの町を占領する。 ユダの王ゼデキヤはカルデア人の手から逃げることはできない。彼は必ずバビロンの王の手に渡され、王の前に引き出されて直接尋問される。 ゼデキヤはバビロンへ連行され、わたしが彼を顧みるときまで、そこにとどめ置かれるであろう、と主は言われる。お前たちはカルデア人と戦っても、決して勝つことはできない。」 さて、エレミヤは言った。「主の言葉がわたしに臨んだ。 見よ、お前の伯父シャルムの子ハナムエルが、お前のところに来て、『アナトトにあるわたしの畑を買い取ってください。あなたが、親族として買い取り、所有する権利があるのです』と言うであろう。」 主の言葉どおり、いとこのハナムエルが獄舎にいるわたしのところに来て言った。「ベニヤミン族の所領に属する、アナトトの畑を買い取ってください。あなたに親族として相続し所有する権利があるのですから、どうか買い取ってください。」 わたしは、これが主の言葉によることを知っていた。 そこで、わたしはいとこのハナムエルからアナトトにある畑を買い取り、銀十七シェケルを量って支払った。 わたしは、証書を作成して、封印し、証人を立て、銀を秤で量った。 そしてわたしは、定められた慣習どおり、封印した購入証書と、封印されていない写しを取って、 マフセヤの孫であり、ネリヤの子であるバルクにそれを手渡した。いとこのハナムエルと、購入証書に署名した証人たちと、獄舎にいたユダの人々全員がそれを見ていた。 そして、彼らの見ている前でバルクに命じた。 「イスラエルの神、万軍の主はこう言われる。これらの証書、すなわち、封印した購入証書と、その写しを取り、素焼きの器に納めて長く保存せよ。 イスラエルの神、万軍の主が、『この国で家、畑、ぶどう園を再び買い取る時が来る』と言われるからだ。」 購入証書をネリヤの子バルクに渡したあとで、わたしは主に祈った。 「ああ、主なる神よ、あなたは大いなる力を振るい、腕を伸ばして天と地を造られました。あなたの御力の及ばない事は何一つありません。 あなたは恵みを幾千代に及ぼし、父祖の罪を子孫の身に報いられます。大いなる神、力ある神、その御名は万軍の主。 その謀は偉大であり、御業は力強い。あなたの目は人の歩みをすべて御覧になり、各人の道、行いの実りに応じて報いられます。 あなたはエジプトの国で現されたように今日に至るまで、イスラエルをはじめ全人類に対してしるしと奇跡を現し、今日のように御名があがめられるようにされました。 あなたは、しるしと奇跡をもって強い力を振るい、腕を伸ばして大いなる恐れを与え、あなたの民イスラエルをエジプトの国から導き出されました。 そして、かつて先祖に誓われたとおり、この土地を彼らに賜りました。乳と蜜の流れるこの土地です。 ところが、彼らはここに来て、土地を所有すると、あなたの声に聞き従わず、またあなたの律法に従って歩まず、あなたが命じられたことを何一つ行わなかったので、あなたは彼らにこの災いをくだされました。 今や、この都を攻め落とそうとして、城攻めの土塁が築かれています。間もなくこの都は剣、飢饉、疫病のゆえに、攻め囲んでいるカルデア人の手に落ちようとしています。あなたの御言葉どおりになっていることは、御覧のとおりです。 それにもかかわらず、主なる神よ、あなたはわたしに、『銀で畑を買い、証人を立てよ』と言われました。この都がカルデア人の手に落ちようとしているこのときにです。」 主の言葉がエレミヤに臨んだ。 「見よ、わたしは生きとし生けるものの神、主である。わたしの力の及ばないことが、ひとつでもあるだろうか。 それゆえ、主はこう言われる。わたしはこの都をカルデア人の手に、またバビロンの王ネブカドレツァルの手に渡す。王はこの都を占領する。 この都を攻撃しているカルデア人が突入し、火を放って焼き払う。屋上でバアルに香をたき、また他の神々に酒を供えて、わたしを怒らせた多くの家を焼き払う。 その初めから、イスラエルの人々とユダの人々は、わが前に悪のみを行ってきた。実にイスラエルの人々は、その手の業によって甚だしくわたしを怒らせてきた、と主は言われる。 この都は、建てられた日から今日に至るまで、わたしを怒らせ憤らせてきたので、これをわたしの前から取り除く。 イスラエルの人々、ユダの人々が犯して、わたしを怒らせたそのすべての悪事のゆえである。王、高官、祭司、預言者、ユダの人々、エルサレムの住民、皆同罪である。 彼らはわたしに背を向け、顔を向けようとしなかった。わたしは繰り返し教え諭したが、聞こうとせず、戒めを受け入れようとはしなかった。 彼らは忌むべき偶像を置いて、わたしの名で呼ばれる神殿を汚し、 ベン・ヒノムの谷に、バアルの聖なる高台を建て、息子、娘たちをモレクにささげた。しかし、わたしはこのようなことを命じたことはないし、ユダの人々が、この忌むべき行いによって、罪に陥るなどとは思ってもみなかった。」 しかし今や、お前たちがバビロンの王、剣、飢饉、疫病に渡されてしまったと言っている、この都について、イスラエルの神、主はこう言われる。 「かつてわたしが大いに怒り、憤り、激怒して、追い払った国々から彼らを集め、この場所に帰らせ、安らかに住まわせる。 彼らはわたしの民となり、わたしは彼らの神となる。 わたしは彼らに一つの心、一つの道を与えて常にわたしに従わせる。それが、彼ら自身とその子孫にとって幸いとなる。 わたしは、彼らと永遠の契約を結び、彼らの子孫に恵みを与えてやまない。またわたしに従う心を彼らに与え、わたしから離れることのないようにする。 わたしは彼らに恵みを与えることを喜びとし、心と思いを込めて確かに彼らをこの土地に植える。 まことに、主はこう言われる。かつて、この民にこの大きな災いをくだしたが、今や、彼らに約束したとおり、あらゆる恵みを与える。
エレミヤ書 32:1-42 Japanese: 聖書 口語訳 (口語訳)
ユダの王ゼデキヤの十年、すなわちネブカデレザルの十八年に、主の言葉がエレミヤに臨んだ。 その時、バビロンの王の軍勢がエルサレムを攻め囲んでいて、預言者エレミヤはユダの王の宮殿にある監視の庭のうちに監禁されていた。 ユダの王ゼデキヤが彼を閉じ込めたのであるが、王は言った、「なぜあなたは預言して言うのか、『主はこう仰せられる、見よ、わたしはこの町をバビロンの王の手に渡し、彼はこれを取る。 またユダの王ゼデキヤはカルデヤびとの手をのがれることなく、かならずバビロンの王の手に渡され、顔と顔を合わせて彼と語り、目と目は相まみえる。 そして彼はゼデキヤをバビロンに引いていき、ゼデキヤは、わたしが彼を顧みる時まで、そこにいると主は言われる。あなたがたは、カルデヤびとと戦っても勝つことはできない』と」。 エレミヤは言った、「主の言葉がわたしに臨んで言われる、 『見よ、あなたのおじシャルムの子ハナメルがあなたの所に来て言う、「アナトテにあるわたしの畑を買いなさい。それは、これを買い取り、あがなう権利があなたにあるから」と』。 はたして主の言葉のように、わたしのいとこであるハナメルが監視の庭のうちにいるわたしの所に来て言った、『ベニヤミンの地のアナトテにあるわたしの畑を買ってください。所有するのも、あがなうのも、あなたの権利なのです。買い取ってあなたの物にしてください。これが主の言葉であるのをわたしは知っていました』。 そこでわたしは、いとこのハナメルからアナトテにある畑を買い取り、銀十七シケルを量って彼に支払った。 すなわち、わたしはその証書をつくって、これに記名し、それを封印し、証人を立て、はかりをもって銀を量って与えた。 そしてわたしはその約定をしるして封印した買収証書と、封印のない写しとを取り、 いとこのハナメルと、買収証書に記名した証人たち、および監視の庭にすわっているすべてのユダヤ人の前で、その証書をマアセヤの子であるネリヤの子バルクに与え、 彼らの前で、わたしはバルクに命じて言った、 『万軍の主、イスラエルの神はこう仰せられる、これらの証書すなわち、この買収証書の封印したものと、封印のない写しとを取り、これらを土の器に入れて、長く保存せよ。 万軍の主、イスラエルの神がこう言われるからである、「この地で人々はまた家と畑とぶどう畑を買うようになる」と』。 わたしは買収証書をネリヤの子バルクに渡したあとで主に祈って言った、 『ああ主なる神よ、あなたは大いなる力と、伸べた腕をもって天と地をお造りになったのです。あなたのできないことは、ひとつもありません。 あなたはいつくしみを千万人に施し、また父の罪をそののちの子孫に報いられるのです。あなたは大いなる全能の神でいらせられ、その名は万軍の主と申されます。 あなたの計りごとは大きく、また、事を行うのに力があり、あなたの目は人々の歩むすべての道を見て、おのおのの道にしたがい、その行いの実によってこれに報いられます。 あなたは、しるしと、不思議なわざとをエジプトの地に行い、また今日に至るまでイスラエルと全人類のうちに行い、そして今日のように名をあげられました。 あなたは、しるしと、不思議なわざと、強い手と、伸べた腕と、大いなる恐るべき事をもって、あなたの民イスラエルをエジプトの地から導き出し、 この地を彼らに賜わりました。これはあなたが彼らの先祖たちに与えようと誓われた乳と蜜の流れる地です。 こうして彼らは、はいってこれを獲たのですが、あなたの声に聞き従わず、あなたの律法を行わず、すべてあなたがせよと命じられたことをしなかったので、あなたはこの災を彼らの上にお下しになりました。 見よ、塁が築きあげられたのは、この町を取るためです。つるぎと、ききんと、疫病のために、町はこれを攻めているカルデヤびとの手に渡されます。あなたの言われたようになりましたのは、ごらんのとおりであります。 主なる神よ、あなたはわたしに言われました、「銀をもって畑を買い、証人を立てよ」と。そうであるのに、町はカルデヤびとの手に渡されています』」。 主の言葉がエレミヤに臨んだ、 「見よ、わたしは主である、すべて命ある者の神である。わたしにできない事があろうか。 それゆえ、主はこう言われる、見よ、わたしはこの町をカルデヤびとと、バビロンの王ネブカデレザルの手に渡す。彼はこれを取る。 この町を攻めているカルデヤびとがきて、この町に火をつけて焼き払う。屋根の上で人々が、バアルに香をたき、ほかの神々に酒をそそいで、わたしを怒らせたその家をも彼らは焼く。 それは、イスラエルの人々とユダの人々とは、その若い時から、わたしの前に悪いことのみを行い、またイスラエルの民はその手のわざをもって、わたしを怒らせることばかりをしたからであると主は言われる。 この町はそれが建った日からきょうまで、わたしの怒りと憤りとをひき起してきたので、わたしの前からこれを除き去るのである。 それは、イスラエルの民とユダの民とが、もろもろの悪を行って、わたしを怒らせたことによるのである。――彼らの王たちと、そのつかさたち、祭司たち、預言者たち、またユダの人々とエルサレムの住民たちが皆そうである。 彼らはその背中をわたしに向けて顔をわたしに向けず、わたしがたゆまず教えたにもかかわらず、彼らは教を聞かず、またうけないのである。 彼らは憎むべき物を、わが名をもって呼ばれている家にすえつけて、そこを汚し、 またベンヒンノムの谷にバアルの高き所を築いて、むすこ娘をモレクにささげた。わたしは彼らにこのようなことを命じたことはなく、また彼らがこの憎むべきことを行って、ユダに罪を犯させようとは考えもしなかった。 それゆえ今イスラエルの神、主は、この町、すなわちあなたがたが、『つるぎと、ききんと、疫病のためにバビロンの王の手に渡される』といっている町についてこう仰せられる、 見よ、わたしは、わたしの怒りと憤りと大いなる怒りをもって、彼らを追いやったもろもろの国から彼らを集め、この所へ導きかえって、安らかに住まわせる。 そして彼らはわたしの民となり、わたしは彼らの神となる。 わたしは彼らに一つの心と一つの道を与えて常にわたしを恐れさせる。これは彼らが彼ら自身とその後の子孫の幸を得るためである。 わたしは彼らと永遠の契約を立てて、彼らを見捨てずに恵みを施すことを誓い、またわたしを恐れる恐れを彼らの心に置いて、わたしを離れることのないようにしよう。 わたしは彼らに恵みを施すことを喜びとし、心をつくし、精神をつくし、真実をもって彼らをこの地に植える。 主はこう仰せられる、わたしがこのもろもろの大きな災をこの民に下したように、わたしが彼らに約束するもろもろの幸を彼らの上に下す。